他
2025/6/28
遼寧省にある世界遺産「五女山」に登る
現在、中国遼寧省本渓市の漢方薬を製造している工場内で日本庭園を計画しており、2025年2月と6月に来訪した。遼寧省は北京の東北方面に位置し、州都・審陽は人口900万人の大都市。本渓市へは車で2時間半程の距離にある。この地は北朝鮮にも近く、満族など少数民族も多く居住しており、通訳の曽さんも満族出身で大学受験などでは点数が加算され有利であったと話してくれた。
■五女山に登る
肝心の日本庭園の為に現地で石を採集したが、山の斜面に張り付いた石の規模には驚かされた。日本庭園は後々記事にすることにして、最終日、この地のシンボルと言える「五女山」に登った事を記したい。
五女山の主峰は海抜804m、岩膚が垂直に露出し、山頂は長さ1,500m,巾300mの平坦地があり、まるで巨大な航空母艦を見ているようだ。また、五女山は高句麗の発祥の地であり、「丸都山城」、「国内城」と共に「高句麗前期の都城と古墳」として世界遺産に認定された景勝地である。
山の麓まで車で進むと「高句麗祖碑」 と刻んだ碑があり、頂部に足が3本ある鳳凰の様な鳥が描かれていた。これは大和朝廷のシンボル、3本足のヤタガラスと同じであり、その時代の日本と朝鮮との関係が匂ってくるようだ。また3本の足は天・地・人を表し、蹴鞠との関係も深いようで、サッカー日本代表のシンボルとなっている。
そして、博物館で遺跡や遺物を見学。そこから専用バスで登山道の入口へ、すごいつづら坂を登って行く。入口に着くと、いきなり石段を登り始める。後から分かったことだが、石段999段、それも一直線のすさまじさで、最初から知っていれば登らなかったかもしれない。
以前登った静岡・久能山東照宮の石段もすごいスケールで、山下の石鳥居から本殿前まで17曲り、1,159段あり。地元では「いちいちごくろうさん」と洒落を言いながら登ったそうだ。私は両方登ったが、樹木で回りが囲まれて先が見えない一直線の五女山階段の方がきつく感じたが、ひょっとしたら年のせいかもしれない…
■五女山の山頂部
頂上近くには当時の石積みが残っており、端正なデザインは日本にも影響を及ぼした。頂部の広場は下から吹き上げる風が気持ちよく、茶屋で皆さん休憩。
気を取り直して散策を始めるといくつかの遺跡が見られた。しかし、都だった時代がB.C.37年からA.D.5年と古く、礎石や水路などしかなく、往年の雰囲気を楽しむしかできなかった。近年につくられたものだが所々に興味あるものがあった。水場に龍安寺型の手水鉢があり、「招財実新」と四方に書かれ、まるで日本と違うメッセージが込められていることに中国らしさを感じた。また牛を模した自然木の柵は見事で驚かされた。
もっと驚く景観が山の先端にあった。最近の観光地でよく見られる崖から張り出したデッキがあり、思わずその先端へ。眼下にダムの人工池が展開、その水際が美しい姿を見せ、思わずポーズをしてしまった。その先一段下った場所にも展望台を設けているのは大サービス。あれだけの石段を登ったご褒美の大パノラマであった。帰りの石段も難儀であったが無事帰還、今も足は痛くない。
戸田 芳樹

石取り場の斜面、すごい石の数

高句麗始祖の碑、頂部の鳥に注目

石段は新しいが過酷な登りで、50階のビルを一気に登る感じだ

頂上部付近の石積みの表面は美しく控えは長い

住居の跡地と見られる側溝などが点在

水場にあった龍安寺型の手水鉢

自然木を使った牛の立体レリーフ

一段下の展望台もすばらしい大パノラマが見られる









