イベント・リゾート
2025/6/18
古木園の近景
深圳の古木園へ久しぶりに行ってきた。樹木の補植の相談が主目的だが、時々見に来てね、というサインだったのであろう。現地は今雨季なので、しっとりとした雰囲気で、水のランドスケープが特に落ち着いて見えた。
下池は石組など入れず、水際のラインと水面と空、そして樹木によるランドスケープとしたので、要素が少なくシンプルで清々しい表情が印象的であった。このエリアのシンボル樹、菩提樹に対して枯れた大木を横たえ、そのバランスで大きな景色をつくったのが成功であった。
中流は島を多くつくり、その間の水路や瀧で多様な景観を展開したが、1年以上経て落ち着いた感じがかなり出てきた。鴨も集まり行動する様を見ていると、この庭園は「生きている空間なのだ」とつくづく思わされた。落羽松の林が今ひとつすっきりしないのは、樹木を垂直に植える技術が中国にはまだないからと思われる。何度も手直ししたが、植栽時にきっちりと固めないから、雨が降ると傾いてくる。そして、樹木全体としての垂直感が見える技術者が少ないことも問題点のひとつである。
上流にある瞑想の森はすっかり落ち着いていた。ボスが瀧とその音を聴きながら古くからの友人にお茶をふるまうのは無上の喜びで、まさに仕事を離れた最大のレクリエーションであろう。樹木も茂ると水音も柔らかくなるようで、都心広場の瀧が響かせる硬質な音とは違って心が洗われる。また瀧に続く水路も特にデザインは主張していないが、静かに流れるたたずまいが美しい。
古木園はこれから少しずつクオリティを高める工夫が必要、まだまだオーナーと一緒に歩いていかなければならないと、現地で感じることとなった。
戸田 芳樹

水面に映る樹林のシルエットと1本の大木は美しい水際ラインに映えて見える

大きな菩提樹に枯木を添わせる様に設置

多くの流れや瀧があり、各々美しい落水音を聴かせてくれる

島々と水路は落ち着いてきたが、雨水後の水のにごりが課題である

連続的石組の空間も雰囲気が出てきた

垂直線を表現した落羽松を直線の石橋でバランスさせる

植物が繁茂して少々奥が見えづらくなったが、落水の音はまろやか

流れは左右に振りながら下流の方向へ、石組脇の植栽が落ち着いてきた





























